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今年もよろしくお願い致します。

昨年はこのブログ開設と運営に関しまして、様々な方にお世話になりました。 今年もどうぞよろしくお願い致します。 このブログは一ヶ月に一記事のペースで感想を投稿していますが(遅すぎてすみません)、開設からユービックの話しかしていないですね。 次の投稿からは別の作品の話をしようと思っています。 ディック作品が好きなのでそれでもいいのですが、別の作品にした方がいいのかも…などと思い悩んでおります。 小説関係の世間的な話題で言えば、水嶋ヒロさんの「KAGEROU」が100万部発行されたというくらいで、その他では一般ニュースに取り上げられるような話題はなかったという少し寂しい1年でした。 私は「KAGEROU」については受賞の経緯であるとかを抜きにしても内容に対して特に興味がないので読むことはないと思いますが、出版不況と言われて久しい中で久しぶりに景気のいい話であった事は間違いないでしょう。 (まあ100万部というのも出版社公表の数字なので…ですが) 何にせよ、夏目漱石や芥川龍之介などと肩を並べ、後世に残る作品が今年発表される作品の中にある事を祈って今年という1年を過ごしたいと思います。 皆さんも良い本との出会いがありますように。

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ユービック(その3)

このユービックという作品は前にも言いましたがサスペンスフルで先の読めない展開、そして余韻が残るラストと完成度がかなり高い作品です。 これまでも「ブレードランナー」「トータルリコール」をはじめとして様々な作品が映画化されてきたディックですから、この「ユービック」も同様に映画化の話がありました。 しかもその企画は70年代で本人がまだ存命中であった為、本人自らが脚本を書きおこしていますが、結局映画化される事はなくその脚本だけが「ユービック:スクリーンプレイ」として出版されています。 私はそちらも読んだのですが、当時の映画技術では(今でも)中々ディック世界を表現するのは難しかったと思います。 ディック原作ではないのですが個人的に凄くディックの世界観に近いものを映画で表現していると思ったのは「オープン・ユア・アイズ」というスペイン映画です。 この映画は後にトムクルーズ主演の「バニラ・スカイ」というタイトルでリメイクされましたから、そちらでご存知の方も多いかと思います。 (余談ですが見比べた感想ではオープンユアアイズの方が面白かったです。リメイク物は大体そうですが…) なお「ユービック」は2.3年ほど前にフランスの映画会社が権利を買ったとの一報がありましたが、その後のニュースは特にありません。 脚本に手直しは必要でしょうが、是非現代で映像化してほしいものです。

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ユービック(その2)

あらすじ 1992年、世界には普通の人間に加え超能力者、そしてその超能力を阻害する不活性者が存在し、 互いの勢力の拡大を狙って凌ぎを削っていた。 そして大規模な超能力者の動きを察知したジョー・チップら反予知能力者は、予知能力者狩りを行うべく月面に結集した。 だがそこに待っていたのは予知能力者の仕掛けた爆弾が爆発し、メンバーの半数が失われる。 しかしさらに恐ろしいのは、生き残った者たちに襲い掛かった時間退行現象だった。 木は枯れ、買ったタバコは出した途端にボロボロになり、新品の電機製品も一晩で型落ちになる、 あらゆるものが古び、退化してゆく世界。 そして遂にはジョー・チップの仲間までもが朽ち果ててゆく。 それを矯正する特効薬の名はユービック。 一体ユービックとは何なのか、そしてこの現象から逃れる術はあるのだろうか? この作品の舞台は1992年。今からすると20年も昔ですが、作品が発表されたのは1969年の事なので当時からすると近未来といった感じでしょうか。 超能力者とその超能力を妨げる能力を持つ不活性者が存在している設定はマイノリティ・リポートなどディックの他の作品でも見ることができます。 普通の人間>不活性者>超能力者>普通の人間という三すくみの構図にする事でストーリー作りが分かりやすくなるだけでなく、読む人によってはそれを比喩的にとらえる楽しみも生み出します。 この作品は更に半死者というものが登場します。名前だけ見るとゾンビのようですがむしろその逆、体は死んでいるが脳がまだ完全に死んでいない状態の人の事で、特殊な機械を使って生きている人がこの半死者と話をしたりできるのです。 これらの設定の中でサスペンスに溢れるストーリーが展開されます。(続く)

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