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ユービック(その2)
あらすじ 1992年、世界には普通の人間に加え超能力者、そしてその超能力を阻害する不活性者が存在し、 互いの勢力の拡大を狙って凌ぎを削っていた。 そして大規模な超能力者の動きを察知したジョー・チップら反予知能力者は、予知能力者狩りを行うべく月面に結集した。 だがそこに待っていたのは予知能力者の仕掛けた爆弾が爆発し、メンバーの半数が失われる。 しかしさらに恐ろしいのは、生き残った者たちに襲い掛かった時間退行現象だった。 木は枯れ、買ったタバコは出した途端にボロボロになり、新品の電機製品も一晩で型落ちになる、 あらゆるものが古び、退化してゆく世界。 そして遂にはジョー・チップの仲間までもが朽ち果ててゆく。 それを矯正する特効薬の名はユービック。 一体ユービックとは何なのか、そしてこの現象から逃れる術はあるのだろうか? この作品の舞台は1992年。今からすると20年も昔ですが、作品が発表されたのは1969年の事なので当時からすると近未来といった感じでしょうか。 超能力者とその超能力を妨げる能力を持つ不活性者が存在している設定はマイノリティ・リポートなどディックの他の作品でも見ることができます。 普通の人間>不活性者>超能力者>普通の人間という三すくみの構図にする事でストーリー作りが分かりやすくなるだけでなく、読む人によってはそれを比喩的にとらえる楽しみも生み出します。 この作品は更に半死者というものが登場します。名前だけ見るとゾンビのようですがむしろその逆、体は死んでいるが脳がまだ完全に死んでいない状態の人の事で、特殊な機械を使って生きている人がこの半死者と話をしたりできるのです。 これらの設定の中でサスペンスに溢れるストーリーが展開されます。(続く)